記念局のつくりかた
これは大学無線部 Advent Calendar 2023 12日目の記事です。
こんにちは
筑波大学電気通信研究会JR1ZTTに所属している ななちき です。
突然ですがみなさん、
なんと、
このたび
筑波大学開学50周年記念局8N1ITF
を開設しました!!
この詳細は後ほど...
ということで、
今日は「記念局のつくりかた」についてお話しさせてください。
記念局って運用・交信したことはあっても、
申請ってなにもわからなくないですか?
わからないですよね?
でも大丈夫
この記事を読めば簡単に申請書類を用意することができます!
(あくまで申請書類の用意です。)
※記事の終わりの方に8N1ITFの詳細情報を記載しました。
目次を参考にしてください。
記念局開設に必要な書類
記念局を申請するには、結構多めの書類が必要です。
また、割と時間がかかるので早めに準備を始めるように心がけましょう。
※8N1ITFは筑波大学50周年開学記念日10月1日から大幅な遅れをとってしまいました。ごめんなさい。
1.記念局開設要望書
記念局を申請するのに必要な書類が多く、何が何の書類かわからなくなりそうだったので、記念局開設要望書というものを作成して項目ごとに資料を整理しました。
項目は以下の通りです。
1-1. 行事に関する情報
1-2. 運用目的
1-3. 主催者等の承諾書
1-4. 呼び出し符号
1-5. 周知広報の方法
1-6. 周知広報の計画
1-7. 運用スケジュール
1-8. 運用場所
1-9. 運用体制
1-10. 社団の定款
1-11. 社団の理事・構成員名簿
1-12. 行事を紹介するパンフレット
とても頭の整理になったので、我ながらこの構成は上出来でした。
各項目で別紙の資料を添付する必要があるときには、資料に番号を振り、それを開設要望書に記載しました。
例えば、
1-12. 行事を紹介するパンフレット
別紙の資料1-12に示す。
のような記載です。もちろん別紙に資料1-12と記すことを忘れずに。
今考えれば以下の二つの書類も開設要望書の項目に含めてしまってもよかったかなと思います。まあ、この辺はお好みで。
2. アマチュア局変更等申請書及び届出書
3. 無線局事項書及び工事設計書
以降、細かい項目ごとに書くべきことなどを説明していきます。
おそらく長くなるので、途中で飽きちゃった方は8N1ITFの詳細情報のところまで飛んでください...
目次からも飛べます。
1-1. 行事に関する情報
行事の名称、主催者、趣旨、内容などを述べます。
その行事に関する資料があったら添付しておくと良いかもしれません。
注意!! 記念局自体が行事となってはいけません。
記念局は、周年行事などに伴って開設されるものでなければならないそうです。
詳しくは
総務省 電波利用ホームページ|その他|いわゆる記念局について
を読んでみてください。
実はこの総務省のホームページにすべて書いてあります。全部読むのは大変ですが、大切な情報を見落とす方が大変なので、記念局を開設しようと考えたときには必ず読みましょう。
1-2. 運用目的
記念局を運用する目的を記載します。
1-3. 主催者等の承諾書
大学の社団局が記念局を開設しようとするときには、学長レベルの偉い人の承諾書が必要なようです。承諾書はこちらで1から作らなければなりません。
承諾してもらう内容を記した書類を作成し、そこに学長からの署名・印鑑を押してもらいます。
私は、念のため学長と顧問、行事の運営委員それぞれからの承諾書3枚を提出しました。
注意!! やり取りに割と時間がかかります。早めに取り掛かりましょう。
1-4. 呼び出し符号
希望する呼び出し符号は、第1希望から第3希望まであると望ましいそうです。
第1希望から第3希望それぞれの呼び出し符号について、その由来と、記念局の呼び出し符号としてふさわしいと考える理由を述べる必要があります。
記念局の呼び出し符号のサフィックスは1~5文字まで、数字で終わってはいけないなどルールがあるので調べておきましょう。
これも総務省 電波利用ホームページ|その他|いわゆる記念局についてに書いてあります。
以前使用していた呼び出し符号を再度使用したいときには、昔の呼び出し符号を示す書類があるとよいそうです。(ZTTは書類なしでも大丈夫だったので、義務ではなさそうです。)
1-5. 周知広報の方法
公式サイトやX、行事の特設サイトなどが挙げられますね。
1-6. 周知広報の計画
運用スケジュールの告知や運用の様子の広報画像、QSLカードなどが挙げられます。
1-7. 運用スケジュール
これが割と大変でした。
まず記念局開設要望書上で運用期間を示します。
1か月以上の運用期間を希望する場合には、その運用期間が必要かつ適切な最短期間であることを詳細に述べる必要があります。
周年行事でも1年間の運用期間が必ず許可されるわけではないそうです。
ZTTは総務省に運用開始日をなぜその日で希望したのかを聞かれました。
(行事の開催期間の中途半端な時期に申請したからでしょうか...みんな聞かれるとは限らないですが、書いておいて損はない気がします。)
次に、運用計画カレンダーを作成します。カレンダー形式が求められるようです。
私はネットで拾ってきたMS-Excelのカレンダーテンプレートに書き込みました。
記念局は積極的な公開運用・体験運用が求められます。(詳しくは総務省 電波利用ホームページ|その他|いわゆる記念局について)
1か月に1回以上運用をしないと積極的な運用とはみなされません。
公開運用はもちろん、コンテストや通常運用、共同運用などすべての運用の日程をカレンダーに記入する必要があります。(予定は後から変更しても大丈夫だそうです)
また、すべての運用について「運用場所」「担当者」「運用時間」を記載しなければなりません。ここでいう担当者とは、おそらく運用を行う人のことです。
1-8. 運用場所
まあこの項目は読んで字のごとくです。住所まで書くと安心です。
1-9. 運用体制
記念局運用にあたって組織図・体制図を作成する必要があります。
いろいろな人に役職を割り振り、MS-WordのSmartArtから階層構造を選ぶと比較的楽に作れました。
1-10. 社団の定款
これも読んで字のごとくですね。
1-11. 社団の理事・構成員名簿
これも総務省のテンプレートを出せばよいです。
ZTTでは構成員名簿を更新する必要があったので、名簿の更新と記念局の申請を同時にできないかを総務省に電話で尋ねました。
→同時にやってもいいそうです。
1-12. 行事を紹介するパンフレット
もし行事のパンフレットが存在したら添付しておくと安心です。
そのパンフレットの中に記念局の記載があれば尚よいでしょう。
2. アマチュア局変更等申請書及び届出書
総務省 電波利用ホームページ|申請書等のダウンロード|無線局免許手続様式
に様式があります。
呼び出し符号の変更の□を黒く塗ります。
②-2の呼び出し符号のところは変更前の呼び出し符号を記入します。
②-4の備考に、記念局開設により呼び出し符号を変更する旨と、希望する呼び出し符号(第3希望まで)を述べてください。
あとは、様式をダウンロードする所のそばに用意されている記入方法のガイドに従って記入してください。
3. 無線局事項書及び工事設計書
これも総務省 電波利用ホームページ|申請書等のダウンロード|無線局免許手続様式
に様式があります。
「9.呼び出し符号」という欄には変更前の呼び出し符号を記入します。
「13.変更する欄の番号」という欄では9番の□を黒く塗ります。
「14.備考」そうむしょうがにより呼び出し符号を変更する旨と、希望する呼び出し符号を述べてください。
あとは、様式をダウンロードする所のそばに用意されている記入方法のガイドに従って記入してください。
法改正で、工事設計書は省略してもよくなったらしいです。
記念局開設申請時の注意点
- 時間がかかることは、とにかく早めに取り掛かる。
- 移動する局と移動しない局は全く別の局として扱われるので、同時に申請したい場合には同じ申請書類を2セット用意する必要がある。
- 承諾書も(同じものを2枚もらわないといけない。)
- 運用計画カレンダーも(移動局ver.とか作らないといけない。)
- どうしても分からないことは、まとめて総務省に電話で聞く。
- 総務省の人はめっちゃ優しく教えてくれます。
- 電話番号→総務省|関東総合通信局|電話によるお問い合わせ
- 電話がつながらないこともあるので、これも余裕をもって行動しましょう
ここまで読んでいただき、ありがとうございます
これを全部読んだあなたは記念局申請マスターです!
と、いうことで、
お待たせしました~
8N1ITFについての情報です!
8N1ITFの詳細情報
8N1ITFは毎月第4水曜日に公開運用を計画しています。
場所は3A棟501(部室)です。
※他にも運用時には都度X等で告知させていただきますので、ぜひご確認ください。
3.5、7、144、430MHz帯での運用が中心になるかと思います。
ご入感ございましたら、お声掛けください。
また、定期的に大学社団などとの共同運用を行いたいと思っております。
興味がある方はぜひ一緒に運用しましょう!
本日の記事は以上になります。
お読みいただいた皆様、ありがとうございました。
それでは、また。